危険物乙四 危険物に関する法令 問36:貯蔵・取扱の基準
可燃性蒸気が滞留するおそれのある場所の電気設備に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア可燃性蒸気が滞留するおそれのある場所では、一般用の電気機器をそのまま用いてよい。
- イ可燃性蒸気が滞留する場所の電気設備は、感電防止のために設けるものであり、引火防止とは関係がない。
- ウ電気設備の防爆構造は、可燃性蒸気の濃度を下げる換気と同じ働きをする設備である。
- エ可燃性蒸気が滞留するおそれのある場所に設ける電気設備は、防爆性能を有する構造(防爆構造)のものとしなければならない。正答
- オ防爆構造の電気設備を用いれば、危険物の蒸気が漏れても引火・爆発は理論上起こり得ない。
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正しいのはエです。引火性の蒸気がたまる場所では、電気のスイッチやモーターの火花が着火源になるため、火花が外に出ない防爆構造の電気設備を使います。
- ア(誤): 一般用の電気機器をそのまま使ってはいけない。
- イ(誤): 防爆は感電防止ではなく引火防止のため。
- ウ(誤): 防爆構造と換気は別物(換気は蒸気を薄める対策)。
- エ(正): 蒸気滞留場所の電気設備は防爆構造にする。
- オ(誤): 防爆でも「絶対に起こらない」とは言えない。
「蒸気滞留場所の電気設備=防爆構造」を覚えます。
電気設備の防爆構造(危規則):
引火性液体の蒸気は、電気設備のスイッチ開閉やモーターのブラシ等で生じる電気火花で容易に引火します。そこで、可燃性蒸気が滞留するおそれのある場所の電気設備は防爆構造にします。
- 防爆構造: 電気機器内部で生じる火花・高温部が、外部の可燃性蒸気に引火しないようにした構造(耐圧防爆・内圧防爆・安全増防爆・本質安全防爆等)(エ=正)。
- 一般用(非防爆)の電気機器をそのまま使ってはならない(ア=誤)。
- 防爆構造は引火防止が目的であり、感電防止のためではない(イ=誤)。
- 防爆構造は換気(蒸気を薄める)とは別の対策で、両者は併用される(ウ=誤)。
引っかけパターン:
- 一般用機器をそのまま使ってよいとする誤り(ア)
- 防爆を「感電防止」とする目的の取り違え(イ)
- 防爆と換気を同一視する誤り(ウ)
- 「理論上起こり得ない」と断定する誤り(オ)
「蒸気滞留場所の電気設備は防爆構造(引火防止)」が核心です。
【理論的背景】
引火性液体は常温でも蒸気を発生し、その蒸気は空気より重いため(蒸気比重>1)低所に滞留します。蒸気の濃度が燃焼範囲内にあるとき、ごくわずかな点火エネルギーで引火・爆発します。電気設備は、スイッチの開閉・接点・モーターのブラシ・断線等で火花や高温部を生じやすく、これが滞留蒸気にとって最も身近な点火源になります。そこで、可燃性蒸気が滞留するおそれのある場所の電気設備は、内部の火花・高温が外部蒸気に引火しない防爆構造にすることが求められます。
【実務・条文構造】
危規則・電気設備の技術基準が定めます。
- 対象場所: 引火点の低い危険物を取り扱い、可燃性蒸気が滞留するおそれのある製造所・給油取扱所・一般取扱所等の所定の場所。
- 防爆構造の種類:
- 耐圧防爆構造:容器内で爆発が起きても容器が耐え、火炎を外部に出さない。
- 内圧防爆構造:容器内に保護ガスを充填し蒸気の侵入を防ぐ。
- 安全増防爆構造:火花・高温部を生じない構造で安全度を高める。
- 本質安全防爆構造:回路のエネルギーを着火に至らない水準に抑える。
- 他の対策との関係: 防爆構造は点火源対策。これに対し換気は可燃物(蒸気)側の対策(蒸気濃度を燃焼範囲未満に下げる)。接地は静電気という別の点火源対策。これらは燃焼の三要素(可燃物・酸素・点火源)の異なる辺に効くため、併用して安全を確保する。
【試験での位置づけ】
電気設備の防爆は、(1)蒸気滞留場所の電気設備は防爆構造、(2)目的は引火防止(感電防止ではない)、(3)防爆と換気・接地は別の対策、の3点が問われます。誤答は「一般機器でよい」「感電防止のため」「防爆=換気」「防爆なら絶対安全」で作られます。防爆構造は点火源を断つ対策であり、可燃物(換気)・静電気(接地)の対策と組み合わせて初めて安全になる、という三要素の発想で整理すると、混同選択肢を確実に切れます。「理論上起こり得ない」など絶対表現の選択肢は、安全対策の文脈ではほぼ誤りである点も判断の助けになります。
【各選択肢の発展補足】
- ア(誤): 一般用の電気機器をそのまま用いてはならない。防爆構造が必要。
- イ(誤): 防爆構造は引火防止のため。感電防止が目的ではない。
- ウ(誤): 防爆構造(点火源対策)と換気(可燃物濃度を下げる対策)は別物。
- エ(正): 蒸気が滞留するおそれのある場所の電気設備は防爆構造とする。
- オ(誤): 防爆構造でも引火・爆発が「理論上起こり得ない」とは言えない。
【根拠法令】危険物の規制に関する規則(電気設備)、電気設備の技術基準。
【補足】蒸気滞留場所の電気設備=防爆構造(耐圧・内圧・安全増・本質安全)。目的は引火防止(点火源対策)。換気・接地と併用。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 危険物の規制に関する規則(電気設備)、電気工作物の技術基準。引火点の低い危険物を取り扱い、可燃性蒸気が滞留するおそれのある場所の電気設備は、電気火花が点火源とならないよう**防爆構造**(耐圧防爆・内圧防爆・安全増防爆等)のものとする。防爆構造は電気機器内部の火花・高温部から外部蒸気への引火を防ぐもので、換気とは別の対策。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。