危険物乙四 危険物に関する法令 問89:運搬・移送
移動タンク貯蔵所(タンクローリー)による危険物の移送に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア移動タンク貯蔵所で危険物を移送する際は、危険物取扱者(当該危険物を取り扱うことができる者)が乗車して移送しなければならない。正答
- イ移動タンク貯蔵所で乙種第4類危険物を移送する場合は、丙種危険物取扱者が乗車していれば足りる。
- ウ移動タンク貯蔵所による移送は、危険物取扱者の資格を持たない者でも法令上問題なく行える。
- エ移動タンク貯蔵所で移送する危険物が指定数量未満であれば、危険物取扱者の乗車義務は課されない。
- オ移動タンク貯蔵所の移送中に火災等の事故が発生した場合、乗務員は直ちに施設から離れることが優先される。
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠も明記。
正しいのはアです。タンクローリーで危険物を移送するときは、当該危険物を取り扱える危険物取扱者を乗車させなければなりません(消防法第16条の2)。
- ア(正): 危険物取扱者の乗車義務がある。
- イ(誤): 丙種が取り扱えるのはガソリン・灯油・軽油・第三石油類(重油等)・第四石油類・動植物油類に限られ、第4類のすべて(特殊引火物・アルコール類等)は扱えない。「乙4を丙種で足りる」は誤り。移送する危険物を取り扱える資格者の乗車が必要。
- ウ(誤): 危険物取扱者の資格を持たない者が同乗するだけで移送はできない。資格者の乗車が必要。
- エ(誤): 指定数量の多少に関わらず乗車義務がある(運搬と異なる点)。
- オ(誤): 事故時は応急措置を講じ消防機関等に通報する義務がある。「離れる」は誤り。
「移送=危険物取扱者の乗車義務(量に関係なく)」を押さえます。
移動タンク貯蔵所による移送(消防法第16条の2):
移動タンク貯蔵所(タンクローリー)による危険物の移送は、単なる「運搬」よりも高度な規制が課されています。
- ア(正): 移動タンク貯蔵所で危険物を移送するときは、当該危険物を取り扱うことができる危険物取扱者を乗車させる(消防法第16条の2第1項)。乙4の危険物を移送するなら乙4(または甲種)取扱者の乗車が必要。
- イ(誤): 丙種が取り扱える第4類危険物はガソリン・灯油・軽油・第三石油類(重油・潤滑油・引火点130℃以上のもの)・第四石油類・動植物油類に限られます。特殊引火物・第一石油類(丙種非対象品)・アルコール類・第二石油類のうち丙種非対象品は丙種では取り扱えません。したがって「乙種第4類危険物の移送は丙種が乗車すれば足りる」は誤りで、移送する危険物を取り扱える資格者(乙4または甲種等)の乗車が必要です。
- ウ(誤): 資格を持たない者だけの移送は不可。
- エ(誤): 移送においては指定数量の多少にかかわらず危険物取扱者の乗車義務がある。これは一般の運搬(危険物取扱者の同乗義務なし)との重要な違いです。
- オ(誤): 移送中に事故が発生した場合、乗務員は応急措置を講じるとともに消防機関等に通報しなければならない(消防法第16条の2第2項)。施設から離れることが優先されるのではない。
引っかけパターン:
- 運搬(指定数量に関係なく基準適用・取扱者同乗不要)と移送(取扱者乗車義務あり)の規制の違い
- 丙種で乙4のすべてを移送できると誤認する(丙種は第4類の一部のみ取扱可)
【理論的背景】
「運搬」と「移送」の違いは乙四法令の核心です。「運搬」は一般車両で危険物を積載して移動する行為で、危険物取扱者の同乗は原則不要です。一方「移送」は移動タンク貯蔵所(タンクローリー等)を用いた危険物の移動で、危険物取扱者の乗車が義務付けられています。
これは移動タンク貯蔵所が大量の危険物を一度に輸送する「危険物の貯蔵所」であり、走行中も危険物に関する専門的管理(漏洩確認・緊急措置等)が必要なためです。指定数量以上という条件もなく、移動タンク貯蔵所で移送するのであれば常に乗車義務が生じます。
【実務・条文構造】
移動タンク貯蔵所による移送の規制(消防法第16条の2):
- 乗車義務: 当該危険物を取り扱うことができる危険物取扱者を乗車させる(第1項)。乙4の危険物ならば乙種第4類以上の免状が必要。
- 免状の携帯・提示: 乗車している危険物取扱者は免状を携帯し、関係者から提示を求められたときは提示しなければならない。
- 事故時の措置(第2項): 移送中に事故・火災が発生した場合、乗務員は直ちに応急措置を講じ、消防機関等に通報する義務を負う。
- 移送の基準: 移送経路・移送方法については別途技術基準が適用される。
「運搬」と「移送」の規制対比:
| 項目 | 運搬 | 移送(移動タンク貯蔵所) |
|---|---|---|
| 手段 | 一般車両・容器積載 | 移動タンク貯蔵所 |
| 取扱者乗車義務 | なし(原則) | あり(当該危険物の資格者) |
| 指定数量との関係 | 量に関係なく基準適用 | 量に関係なく取扱者乗車義務 |
【試験での位置づけ】
「移送では危険物取扱者の乗車義務がある(指定数量に無関係)」は法令A頻出の核心です。引っかけは「指定数量未満なら乗車不要」(エ)、「乙4の移送は丙種で足りる」(イ・丙種は第4類の一部のみ取扱可)、「事故時は施設から離れる」(オ)です。「移送=当該危険物の資格者の乗車義務あり・事故時は応急措置と通報」を固定します。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): 移動タンク貯蔵所で移送するときは当該危険物を取り扱える危険物取扱者の乗車が必要(消防法第16条の2第1項)。
- イ(誤): 丙種は第4類のうち一部(ガソリン・灯油・軽油・第三/第四石油類・動植物油類)しか取り扱えず、第4類のすべてを扱える資格ではない。「乙4の移送は丙種で足りる」は誤り。
- ウ(誤): 資格者の乗車なしでの移送は消防法違反。
- エ(誤): 指定数量の多少にかかわらず乗車義務がある。
- オ(誤): 事故時は応急措置を講じ消防機関等に通報する義務がある(第16条の2第2項)。
【根拠法令】消防法第16条の2。
【補足】移動タンク貯蔵所による移送:当該危険物を取り扱える危険物取扱者の乗車が義務(量に無関係)。事故時は応急措置と消防機関等への通報義務。運搬(取扱者同乗不要)との対比が重要。
<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): 乗車義務(消防法第16条の2第1項)・事故時の措置(同第2項)は確立した規定で正答アは正しい。ただし旧選択肢イ「運転者が資格者なら助手席に別の取扱者同乗不要」は法令上正しい記述(運転者本人が資格者なら同乗不要)であり、正答ア(正)との二重正答リスクがあったため、選択肢イを明確な誤り「乙4の移送は丙種が乗車すれば足りる」(丙種は第4類の一部のみ取扱可で誤り)に差し替え。正答アで一意確定。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 消防法第16条の2(移動タンク貯蔵所による移送)。移動タンク貯蔵所で危険物を移送する際は、**当該危険物を取り扱うことができる危険物取扱者**を乗車させなければならない。また、移送中に事故等が発生した場合は応急措置を講じるとともに消防機関等に通報する義務がある。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。