第3章 主な医薬品とその作用132主な医薬品とその作用(生薬製剤・解表・発汗生薬)

登録販売者 第3章 主な医薬品とその作用 問132:主な医薬品とその作用(生薬製剤・解表・発汗生薬)

解表(かぜ初期の発汗・解熱)に用いられる生薬に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • ケイガイ(荊芥)はシソ科植物ケイガイの花穂を基原とし、発汗・解熱・鎮痛の目的で用いられる。
  • ハマボウフウ(浜防風)はセリ科植物ハマボウフウの根及び根茎を基原とし、解表・去痰の目的で用いられる。
  • ケイガイは「荊防敗毒散」「消風散」「十味敗毒湯」等の漢方処方に配合される生薬である。
  • ハマボウフウはボウフウ(防風)と同じセリ科に属するが、ボウフウとは異なる植物を基原とする。
  • ケイガイは既存の生薬ボウフウ(防風)と同じシソ科植物を基原とするため、作用・適応がほぼ同一である。正答
正答:ケイガイは既存の生薬ボウフウ(防風)と同じシソ科植物を基原とするため、作用・適応がほぼ同一である。

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正答はオです。

ケイガイ(荊芥)とボウフウ(防風)は科が異なります。ケイガイはシソ科・ボウフウはセリ科で、別の科の別植物です。「同じシソ科」という記述が誤りです。

また、両者の作用も完全に同一ではなく、配合される漢方処方も異なります。

各正しい選択肢のポイントです。

  • ア→ケイガイはシソ科・花穂が薬用部位
  • イ→ハマボウフウはセリ科・根及び根茎が薬用部位
  • ウ→ケイガイは荊防敗毒散・消風散・十味敗毒湯等に配合(正しい)
  • エ→ハマボウフウはセリ科でボウフウとは別植物(正しい)

語呂:「荊芥(けいがい)はシソ科の花穂」「浜防風はセリ科・根っこ」で区別しましょう。

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解表生薬の基原・薬用部位・主な配合処方まとめ:

| 生薬名 | 科名 | 薬用部位 | 主な作用 | 代表配合処方 |

|---|---|---|---|---|

| ケイガイ(荊芥) | シソ科 | 花穂 | 発汗・解熱・鎮痛・止血 | 荊防敗毒散・消風散・十味敗毒湯 |

| ハマボウフウ(浜防風) | セリ科 | 根及び根茎 | 解表・去痰・解熱 | 複数の解表処方に配合 |

| ボウフウ(防風)※既存 | セリ科 | 根及び根茎 | 発汗・解熱・鎮痛・去痰 | 防風通聖散・荊防敗毒散・十味敗毒湯 |

各選択肢の解説:

  • ア(正): ケイガイ(荊芥)はシソ科植物ケイガイ(Schizonepeta tenuifolia)の花穂を基原とします。揮発油(メントール類似のd-プレゴン等)を含み、軽い発汗・解熱・鎮痛・止血の効能を持ちます。
  • イ(正): ハマボウフウ(浜防風)はセリ科植物ハマボウフウ(Glehnia littoralis)の根及び根茎を基原とします。海岸砂地に生育する多年草で、「浜」という名はこの生育環境に由来します。解表・去痰・解熱の用途があります。
  • ウ(正): ケイガイは荊防敗毒散・消風散・十味敗毒湯等の漢方処方の構成生薬であり、これらはいずれも皮膚疾患・かぜ初期・化膿性疾患に用いられます。記述は正確です。
  • エ(正): ハマボウフウはセリ科に属しますが、ボウフウ(防風:Saposhnikovia divaricata)とは異なる植物(Glehnia littoralis)を基原とします。同科であっても植物種・薬用部位の特性が異なります。
  • オ(誤・正答): ケイガイはシソ科、ボウフウはセリ科であり、科が異なります。「同じシソ科」は完全な誤りです。また、両者は配合される処方も作用のバランスも異なります。ケイガイは止血・皮膚疾患へ、ボウフウは鎮痛・去痰へ、それぞれ独自の強みを持ちます。
上級誤答論破・根拠(手引き)まで深掘り

【ケイガイとボウフウの薬理の差異と漢方処方における役割】

1. ケイガイ(荊芥)の揮発油成分と薬理

ケイガイ(Schizonepeta tenuifolia)の花穂にはd-プレゴン(d-pulegone)・l-メントン・カルボン等のモノテルペン系揮発油が豊富に含まれます。

  • 発汗・解熱: 揮発油が体表の血管を拡張し、発汗を促すことで解熱を助けます(中枢性体温調節への直接作用より皮膚末梢での発汗誘導が主)
  • 止血作用: ケイガイの炭化物(荊芥炭)は収斂性が高まり、特に鼻出血・皮下出血・月経過多の止血に用いられます。生のケイガイと炭化したケイガイで作用が大きく異なる点が漢方の特徴です
  • 皮膚疾患・かゆみ: 消風散(ケイガイ・ボウフウ・荊防敗毒散等)が湿疹・皮膚炎・じんましんに用いられる理由は、ケイガイの炎症抑制・発散(邪を体外に追い出す)作用にあります

2. ハマボウフウとボウフウの混同リスク

ハマボウフウ(浜防風)とボウフウ(防風)は両者ともセリ科ですが、植物種が異なります。

| 特徴 | ハマボウフウ | ボウフウ |

|---|---|---|

| 学名 | Glehnia littoralis | Saposhnikovia divaricata |

| 生育地 | 海岸砂地(「浜」の由来) | 中国・モンゴルの草原 |

| 主成分 | フタリド類・クマリン類 | シロトデサポニン・クマリン類 |

| 試験頻出度 | 低め(Wave4新規) | 高(既存Wave3以前で出題済) |

登録販売者試験では「ハマボウフウ=セリ科・根及び根茎」の基原と、「ボウフウ(防風)と同科だが別植物」という区別が問われます。

3. 荊防敗毒散・十味敗毒湯でのケイガイの役割

荊防敗毒散:ケイガイ・ボウフウ・カッコン・ドクカツ・チャイコ等が主要成分で、かぜ初期・化膿性皮膚疾患(湿疹・じんましんの初期)に用いられます。ケイガイとボウフウが両方配合されており、「発散(邪を体表から追い出す)」の2本柱として機能します。

十味敗毒湯:ケイガイ・ボウフウ・チャイコ・カッコン・センキュウ・ブクリョウ・キキョウ・カンゾウ・ショウキョウ・ボクソクが構成生薬で、体力中等度の化膿性皮膚疾患(にきび・湿疹・じんましん)に適応します。

これらの処方を横断的に知ることで、「ケイガイが皮膚疾患・発散に特化した解表生薬」という理解が深まります。

4. 「解表薬」の概念と登録販売者実務

中医学では、病邪が体表(皮膚・体表の経絡)にある段階を「表証」と呼び、これを体表から追い出す治療法を「解表」と称します。西洋医学的には「かぜ初期・発熱・悪寒・体の痛み」に相当します。

解表薬はその作用の強さと性質により、

  • 辛温解表薬(温めながら発汗): マオウ・ケイヒ・ケイガイ・ボウフウ
  • 辛涼解表薬(冷ましながら解表): ハッカ・キョウカツ

に大別されます。ケイガイは辛温解表薬の代表であり、消化器への負担が少なく比較的使いやすい生薬として位置づけられています。

登録販売者試験の範囲では「科名・薬用部位・代表配合処方」の3点が問われるため、基本事項の暗記を優先しつつ、上記の薬理・概念を「なぜその処方に使われるか」の背景理解として活用してください。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章 第15節「漢方処方製剤・生薬製剤」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

関連論点

解表・発汗生薬・ケイガイ/ハマボウフウの基原と解表作用頻出度B

第3章 主な医薬品とその作用の他の問題

1
主な医薬品とその作用(かぜ薬・解熱鎮痛薬)
2
主な医薬品とその作用(アレルギー薬・抗ヒスタミン薬)
3
主な医薬品とその作用(漢方処方・生薬)
4
主な医薬品とその作用(かぜ薬)
5
主な医薬品とその作用(鎮咳去痰薬)
6
主な医薬品とその作用(胃腸薬・制酸薬)

章別に解いて、登録販売者に合格

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