第4章 薬事関係法規・制度38薬事関係法規・制度(薬機法の目的・定義)

登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問38:薬事関係法規・制度(薬機法の目的・定義)

医薬品医療機器等法(薬機法)の目的および規制対象の区分に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 薬機法は、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品について、品質・有効性・安全性を確保することを主な目的の一つとしている。
  • 医療機器とは、人体への直接的な化学的作用によって目的の効果を得る器具・機械であり、メスや注射器がその典型例とされている。正答
  • 再生医療等製品には、ヒトや動物の細胞を用いて製造された、身体の組織の再生・修復・形成を目的とした物が含まれる。
  • 薬機法の目的には、医薬品等の品質・有効性・安全性の確保に加えて、保健衛生上の危害の発生・拡大の防止も含まれている。
  • 薬機法は、医薬品等の研究開発の促進にも資するよう規定されており、保健衛生の向上への貢献も目的の一つとして明記されている。
正答:医療機器とは、人体への直接的な化学的作用によって目的の効果を得る器具・機械であり、メスや注射器がその典型例とされている。

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正答はイ(誤っているもの)です。

医療機器は、「人体への化学的作用によって」目的の効果を得るのではなく、「物理的・機械的な作用によって」目的の効果を得るものです。化学的作用によって効果を得るのは「医薬品」の特徴です。メスや注射器・X線装置・人工透析装置等は物理的・機械的な作用によって使用される医療機器の典型例です。

ア・ウ・エ・オはいずれも正しい記述です。薬機法は品質・有効性・安全性の確保と危害防止・保健衛生向上・研究開発促進を目的としています。

標準試験対策の基準レベル

薬機法の規制対象と各カテゴリの特徴:

| 区分 | 特徴 | 主な例 |

|---|---|---|

| 医薬品 | 化学的・生物学的作用で効果を発揮 | 錠剤・注射薬・点眼薬 |

| 医薬部外品 | 一定の効能を持つが医薬品ほどリスクが高くない | 薬用歯磨き・薬用化粧水 |

| 化粧品 | 人体を清潔・美化し、皮膚等を保護・改善する | 乳液・口紅・ファンデーション |

| 医療機器 | 物理的・機械的な作用で目的の効果を得る | メス・注射器・X線装置・ペースメーカー |

| 再生医療等製品 | ヒト・動物の細胞等を用いて製造した、組織の再生・修復等を目的とする物 | 細胞治療製品・遺伝子治療製品 |

各選択肢の解説:

  • ア(正): 薬機法は医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品を規制対象とし、品質・有効性・安全性の確保を主な目的としています。
  • イ(誤): 医療機器は「化学的作用」ではなく「物理的・機械的な作用」によって目的を達成するものです。「化学的作用によって」という記述が誤りです。医薬品との決定的な違いがここにあります。
  • ウ(正): 再生医療等製品の定義として正しい記述です。ヒト・動物の細胞を加工して製造した製品で、組織の再生・修復等を目的とします。
  • エ(正): 薬機法の目的には品質・有効性・安全性確保のほか、保健衛生上の危害の発生・拡大防止が明記されています。
  • オ(正): 薬機法の目的には医薬品等の研究開発促進・保健衛生の向上への貢献も含まれます。
上級誤答論破・根拠(手引き)まで深掘り

【薬機法の目的条文と制度の全体像】

薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の目的規定には、以下の要素が含まれます:

1. 医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品の品質・有効性・安全性の確保

2. 保健衛生上の危害の発生・拡大の防止

3. 指定薬物の規制

4. 医薬品・医療機器・再生医療等製品の研究開発の促進

5. 保健衛生の向上

法律名も旧「薬事法」から「医薬品医療機器等法(薬機法)」に2014年(平成26年)に改称されており、医療機器・再生医療等製品への対応強化が反映されています。

医療機器の定義の核心(医薬品との差異):

医療機器と医薬品の最大の違いは、「作用メカニズム」にあります:

  • 医薬品: 体内で化学反応・生化学的作用・生物学的作用等により効果を発揮(薬理作用)
  • 医療機器: 物理的・機械的・電気的・光学的な作用によって効果を発揮(薬理作用を主目的としない)

具体例:

  • 注射器(注射針・シリンジ):薬液を注入するための物理的器具=医療機器
  • 注射薬(注射液):化学的成分が体内で薬理作用を発揮=医薬品
  • X線装置:物理的な放射線で体内を画像化=医療機器
  • ペースメーカー:電気的刺激で心臓の律動を維持=医療機器

医療機器のクラス分類(リスク区分):

医療機器はリスクの程度に応じて4つのクラスに分類されます(参考):

  • クラスI: 一般医療機器(リスク低)
  • クラスII: 管理医療機器(リスク中)
  • クラスIII/IV: 高度管理医療機器(リスク高・人体内への留置・生命維持等)

再生医療等製品の制度的位置づけ:

再生医療等製品は2014年の薬機法改正で新設されたカテゴリです。ヒトの細胞や遺伝子を加工した製品(細胞治療・遺伝子治療等)は、従来の医薬品・医療機器のどちらにも収まりきらない特性を持つため、独立したカテゴリとして規制されることになりました。

主な特徴:

  • ヒト・動物の細胞等を加工・成形したもの
  • 身体の組織の再生・修復・形成、または疾病の治療・予防を目的とする
  • 承認審査において「有効性が推定できる段階での条件付き早期承認」が可能(従来の医薬品と異なる承認経路)

薬機法改正の歴史的背景(登録販売者試験との関連):

登録販売者制度は2009年(平成21年)の薬事法改正で創設されました。2014年改正では「薬事法」から「薬機法」への改称・医療機器・再生医療等製品の規定整備・特定販売制度の整備等が行われています。

試験で問われる「薬機法の目的」は、単なる暗記問題に見えて、制度全体の根拠・趣旨を理解するための重要な基礎です。「なぜこのような規制があるのか」を理解することで、個々の規定の内容を体系的に把握できます。

「指定薬物の規制」が薬機法目的に含まれる意義:

2013年(平成25年)の改正で、指定薬物の規制が薬機法の目的に明記されました。これは危険ドラッグ問題への対応強化の一環であり、薬機法が単に「医薬品・医療機器の品質管理法」にとどまらず、「保健衛生を脅かす物質全般への対応法」として位置づけられていることを示しています。

【根拠】薬機法第1条(目的)・第2条(定義)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節「薬事関係法規・制度」(薬機法の目的・定義) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

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