登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問39:薬事関係法規・制度(配置販売業・先用後利)
配置販売業の先用後利の仕組みと配置箱の規制に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア先用後利とは、配置業者が顧客の家庭に医薬品を前払いで販売し、使用した分を後から補充する仕組みであり、使用した分の代金が後払いになるものではない。
- イ配置販売業者は、薬機法施行規則の定める品目(配置できる医薬品の範囲)にかかわらず、顧客の希望があれば要指導医薬品を配置箱に入れることができる。
- ウ配置箱に収められた医薬品は、顧客が実際に使用した分についてのみ代金が発生し、使用しなかった分については次回訪問時に回収・補充が行われる。正答
- エ配置販売業者は、医薬品を配置する際に顧客から直接対面で情報提供を行う義務はなく、配置した後は顧客が添付文書を読んで自己判断で使用することが前提とされている。
- オ配置販売業の区域管理者になるためには、薬剤師の資格が必須であり、登録販売者は区域管理者にはなれない。
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正答はウ(正しいもの)です。
先用後利(せんようこうり)とは、「先に使用して、後から代金を支払う」仕組みです。配置業者が医薬品を顧客の家庭に置いておき、顧客が使用した分のみ代金を支払い、使用しなかった分は無料で次回訪問時に回収・補充されます。ウはこの仕組みを正確に表現しています。
アは誤りで、先用後利は前払いではなく、使用した分が後払いになる仕組みです(アの説明はむしろ逆)。イは誤りで、配置販売業では配置できる医薬品の範囲が決まっており、要指導医薬品は配置できません。エは誤りで、配置業者も情報提供の義務があります。オは誤りで、一定要件を満たした登録販売者も区域管理者になれます。
配置販売業の先用後利の仕組み(図解):
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 初回配置 | 配置業者が顧客宅を訪問し、医薬品を収めた「配置箱」を置く(この時点では代金は発生しない) |
| 使用期間 | 顧客は配置箱の医薬品を必要に応じて使用する |
| 次回訪問 | 配置業者が訪問し、使用した医薬品分の代金を受け取る(先用後利=先に使用して後で支払い) |
| 補充 | 使用された分を補充して帰る。使用されなかった医薬品は回収または継続配置 |
配置販売業で配置できる医薬品の制限:
- 要指導医薬品・第1類医薬品:配置不可(薬剤師による情報提供が必要なため対面販売との整合がとれない)
- 第2類医薬品・第3類医薬品:配置可能(ただし区域管理者・配置従事者の条件あり)
各選択肢の解説:
- ア(誤): 先用後利は「先に使用して後から支払う」仕組みです。前払いではありません。「使用した分を後から補充する」という部分は使用後の補充を正しく示していますが、「前払い販売」という部分が誤りです。
- イ(誤): 要指導医薬品は配置販売で取り扱うことができません。配置できる医薬品は施行規則で定める品目(第2類・第3類の範囲)に限られます。
- ウ(正): 先用後利の基本的な仕組みの正しい説明です。使用した分のみ代金が発生し、未使用分は回収・補充されます。
- エ(誤): 配置販売業者(配置員)も医薬品の配置・訪問時に顧客への情報提供義務があります。「情報提供義務なし」は誤りです。
- オ(誤): 一定要件(実務経験年数・外部研修修了等)を満たした登録販売者が区域管理者になることができます。薬剤師が必須という規定はありません。
【配置販売業の歴史的背景と制度趣旨】
配置販売業は、江戸時代中期(17世紀後半)に富山藩で始まった「富山の薬売り」に起源を持つ、日本独自の医薬品販売形態です。「先用後利」という商慣行は、医療へのアクセスが限られた農村部において「まず薬を家に置いておき、使ったときだけ支払う」という合理的な仕組みとして発展しました。
現代においても、高齢者世帯・交通不便な地域等での医薬品アクセス確保のため、配置販売業は法制度上維持されています。
配置販売業の許可と区域管理者の要件:
配置販売業の許可は、取り扱う区域(都道府県)ごとに都道府県知事から受ける必要があります(複数都道府県で活動する場合は各都道府県知事から許可を取得)。
区域管理者(配置販売業の管理者)の要件:
- 薬剤師であること、または
- 一定の要件を満たした登録販売者(実務経験年数・外部研修修了等)であること
区域管理者は、配置販売業者が行う医薬品配置に係る業務を管理・監督する責任者です。
配置できる医薬品の範囲と制限の根拠:
配置販売業では、要指導医薬品・第1類医薬品を配置することが禁止されています。この制限の根拠は以下のとおりです:
1. 情報提供の場所・形態の問題: 要指導医薬品・第1類医薬品は書面を用いた薬剤師による対面情報提供が義務付けられていますが、配置方式ではこれが困難です。配置時に情報提供を行っても、顧客が実際に薬を使用するのは後日であり、使用場面での専門家の関与が保証できません。
2. 顧客の選択行動の問題: 配置販売では顧客が自分でリスクの高い医薬品を手に取って使用するリスクが店頭販売より高いため、リスクの低い区分(第2類・第3類)に限定されています。
配置員の情報提供義務と名札要件:
配置販売に従事する者(配置員)も、顧客訪問時に以下の義務を負います:
1. 情報提供義務: 配置する医薬品の効能・効果・用法・用量・禁忌等の基本的情報を提供する
2. 名札表示義務: 配置員としての名称・第何類を担当できるかを示す名札を着用(登録販売者の場合は「登録販売者」と表示)
3. 氏名等の提示: 顧客から求められた場合に配置従事者証等を提示する
配置箱の管理と定期訪問:
配置業者は定期的(通常年1〜2回)に顧客宅を訪問します。この際に行う業務:
- 使用分の確認と代金の受け取り
- 使用された医薬品の補充
- 期限切れ・変質品の回収と交換
- 顧客の健康状態・使用状況の確認と情報提供
配置箱内の医薬品については、品質管理(期限管理・保管条件等)も配置業者の責任で行われます。
受験上の重要ポイント:
「先用後利」という用語の意味と、配置販売業の運用実態(訪問→使用後払い→補充)を正確に理解することが試験対策の基本です。また、「要指導・第1類は配置不可」「区域管理者に登録販売者もなれる(薬剤師限定ではない)」という2点は誤りを含む選択肢として頻出です。
【根拠】薬機法(配置販売業の許可・区域管理者の要件)、薬機法施行規則、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節「薬事関係法規・制度」(配置販売業) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。