登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問42:薬事関係法規・制度(不適正販売方法)
不適正な医薬品の販売方法の禁止に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア医薬品を購入した顧客に対して、当該医薬品に関連する医薬品以外の商品(食品等)を景品として提供することは、景品表示法の観点とは別に、医薬品の適正使用を妨げるおそれがあることから薬機法上も問題となりうる。
- イ医薬品を購入する意思のない顧客に対して、医薬品を買わなければ別の商品を売らないという条件を付けた「抱き合わせ販売」は、医薬品の不適正使用につながるおそれがあるため禁止される。
- ウ許可を受けていない区域・業態での医薬品の販売(許可外販売)は、薬機法違反となるが、少量の販売に限っては罰則の適用外とされている。正答
- エ医薬品の量販(大量販売)が、当該医薬品の濫用・過剰使用につながると認められる場合には、販売業者は販売を断る適切な対応をとることが求められる。
- オ不適正な販売方法として、購入者に対して他の医薬品の同時購入を強制的に求める「ポイント倍加条件付き購入要求」も、実質的な強制購入に当たる場合は問題となる。
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠も明記。
正答はウ(誤っているもの)です。
許可を受けていない区域・業態での医薬品の販売(許可外販売)は薬機法違反ですが、「少量の販売に限っては罰則の適用外」という例外規定はありません。許可なしで医薬品を販売することは、販売量の多少にかかわらず違反となります。
ア・イ・エ・オはいずれも正しい方向性の記述です。景品提供・抱き合わせ販売・量販による濫用促進等は、医薬品の適正使用を妨げるものとして問題となりえます。
不適正な販売方法の主なパターン:
| 不適正販売の類型 | 内容・問題点 |
|---|---|
| 景品提供 | 医薬品購入の促進手段として不当に景品を提供する行為。医薬品の選択が「必要性」ではなく「景品欲しさ」に基づくことで適正使用が妨げられる |
| 抱き合わせ販売 | 医薬品を他の商品の購入条件とする等、不必要な購入を誘導する行為 |
| 量販・大量販売 | 特定の医薬品(特に濫用リスクの高いもの)を過剰な量で販売する行為。濫用・過量摂取のリスクがある |
| 許可外販売 | 販売業の許可を受けていない場所・方法での販売。販売量にかかわらず違反 |
| 不正競争目的の販売 | 正当な理由なく著しく低価格での医薬品販売など、競合他社を排除する目的での販売 |
各選択肢の解説:
- ア(正): 医薬品に関連する景品提供は景品表示法上の問題に加えて、薬機法上も適正使用を妨げるとして問題になりえます。正しい方向性です。
- イ(正): 抱き合わせ販売は医薬品の不適正使用につながるとして禁止されます。正しい記述です。
- ウ(誤): 許可外販売(無許可販売)は少量であっても薬機法違反です。「少量なら罰則適用外」という例外はありません。
- エ(正): 量販・大量販売が濫用につながると認められる場合に販売を断ることは、登録販売者の重要な実務判断です。正しい記述です。
- オ(正): ポイント倍加等の条件付きで実質的に他の医薬品の購入を強制することも、不適正な販売手法として問題となる場合があります。正しい方向性です。
【不適正な販売方法禁止の制度趣旨と法的根拠】
薬機法が不適正な販売方法を規制する根本的な目的は、医薬品が「必要な人が、必要な量だけ、適切な情報に基づいて」購入・使用されるようにすることです。医薬品は食品や一般商品と異なり、過剰使用・不適切な使用が重大な健康被害につながるリスクがあるため、通常の商業的販売手法の一部が制限されています。
不適正販売の主要類型と薬機法上の根拠:
1. 景品提供の問題:
- 医薬品の購入を促すための景品提供は、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)との関係でも問題になりますが、薬機法の観点では「医薬品が必要性に基づかず景品目当てに購入される」ことが適正使用を妨げるとして問題視されます。
- 特に、高リスクの医薬品(指定第2類・第1類等)について景品を提供することで、本来薬剤師・登録販売者に相談すべき購入者が安易に購入するリスクがあります。
2. 抱き合わせ販売の禁止:
- 「A商品を買わないとB医薬品を売らない」「B医薬品を買えばA商品をプレゼント」等の条件付き販売は、購入者が医薬品を「必要だから買う」のではなく「条件の達成のために買う」という不適正な購入動機を生みます。
- 独占禁止法(不公正な取引方法)の観点からも問題になる場合があります。
3. 量販・大量販売の規制:
- 特に濫用等のおそれがある医薬品(コデイン含有製剤・エフェドリン含有製剤・ジフェンヒドラミン含有製剤等)については、令和8年の手引き改訂でも強調された重要論点です。
- 販売業者は、購入者の使用実態・購入量・年齢等を総合的に判断し、濫用のおそれが認められる場合は販売を断ることが求められます。
- 「販売を断る権限と義務」は、医薬品の適正使用を守る最後の砦として登録販売者に期待される重要な職責です。
4. 許可外販売(無許可販売)の厳格な禁止:
- 薬局開設の許可・店舗販売業の許可・配置販売業の許可を受けることなく医薬品を販売することは、薬機法違反です。
- 許可外販売は「販売量」「売れた金額」にかかわらず違反です。フリマアプリ等での個人間の医薬品売買も、業として行えば無許可販売に該当するリスクがあります。
- 無許可で医薬品を販売した場合(法第24条第1項違反)は、薬機法第84条により3年以下の懲役(拘禁刑)もしくは300万円以下の罰金、またはこれを併科される場合があります。<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 無許可販売は薬機法第24条第1項違反→第84条で3年以下の懲役(拘禁刑)または300万円以下の罰金・併科。e-Gov(薬機法)で条番号・刑罰内容を突合 -->
「正当な理由のない販売拒否」との均衡:
一方で、販売業者が正当な理由なく医薬品の販売を拒否することも問題です。「個人的に気に入らない客への販売拒否」等は許されません。量販・濫用の疑いがある場合の販売拒否は、法令に基づく正当な行為として保護されます。
登録販売者の実務的判断指針:
不適正販売が疑われる場面での実務判断として:
1. 量販の判断: 1人の購入者が複数パック(複数個)の同一医薬品を購入しようとする際、濫用のリスクがあるかを確認。特に濫用リスクの高い成分(コデイン・エフェドリン・ジフェンヒドラミン等)については特に注意。
2. 購入目的の確認: 「なぜこの量が必要か」を丁寧に確認することが許容される(詰問ではなく、安全確認の観点から)。
3. 記録: 購入者が大量購入を希望し、販売を断った事案は記録・管理することが望ましい。
景品表示法との関係(補足):
薬機法と景品表示法は異なる法律ですが、医薬品の景品提供・誇大表示等については両方の法律が競合的に適用される場合があります。特に、医薬品の効能・効果に関する不当表示は薬機法の誇大広告規制と景品表示法の不当表示規制の双方に問われる可能性があります。
【根拠】薬機法(不適正な販売方法の禁止に関する規定)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第3節
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第3節「医薬品の適正販売のための規制等」(不適正な販売方法) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。