登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問50:薬事関係法規・制度(配置販売業の義務・配置員管理)
配置販売業の遵守事項および配置員の義務に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア配置販売業者が配置販売に従事する者(配置員)に医薬品を配置させるときは、その者に対して配置販売業の許可証の写しを携帯させなければならない。
- イ配置員は、配置販売業務に就いているときは、身分証明書(氏名・顔写真等を記載したもの)を携帯し、消費者から請求があった場合はこれを提示しなければならない。
- ウ配置販売業者は、都道府県ごとに配置販売に従事する者の氏名・住所その他厚生労働省令で定める事項を、当該都道府県知事に届け出なければならない。
- エ配置販売業者は、当該区域(都道府県の区域)内においてのみ、その許可に係る医薬品を配置させることができる。
- オ配置販売業者は、一般用医薬品のうち第1類医薬品については、配置員が自ら販売することができる。正答
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正答はオ(誤っているもの)です。
配置販売業においても、第1類医薬品の販売は薬剤師のみが行えます。配置員(登録販売者も含む)が第1類を自ら販売することはできません。配置販売業者が第1類医薬品を配置するためには薬剤師の配置員が担当する必要があります。
アは正しく、配置員は許可証の写しを携帯する義務があります。イは正しく、身分証明書の携帯・提示義務があります。ウは正しく、都道府県知事への届出が必要です。エは正しく、許可を受けた都道府県の区域内でのみ配置販売ができます(区域外への拡大には別途の許可が必要)。
配置販売業の主な遵守事項一覧:
| 遵守事項 | 内容 |
|---|---|
| 許可証の写し携帯 | 配置員は許可証の写しを携帯(請求時に提示) |
| 身分証明書の携帯・提示 | 配置員は氏名・顔写真入り身分証明書を携帯、消費者の請求時に提示 |
| 都道府県への届出 | 区域内の配置員の氏名・住所等を都道府県知事に届出 |
| 区域制限 | 許可を受けた都道府県区域内でのみ配置販売可 |
| 先用後利の原則 | 消費者宅に医薬品を置き、使った分だけを後で収受する方式 |
| 第1類医薬品の取扱い | 配置販売業でも第1類は薬剤師のみが担当可能 |
各選択肢の解説:
- ア(正): 配置員は配置販売業の許可証の写しを携帯する義務があります。消費者から請求があれば提示する必要があります。
- イ(正): 配置員は顔写真・氏名等を記載した身分証明書を業務中に携帯し、消費者から提示を求められた場合にはこれを提示しなければなりません。不審者対策・消費者保護の観点から重要な規定です。
- ウ(正): 配置販売業者は、各都道府県において配置販売に従事する者の氏名・住所その他省令で定める事項を当該都道府県知事に届け出る義務があります。
- エ(正): 配置販売業の許可は都道府県ごとに取得するものです(店舗販売業と同様の都道府県単位の許可制)。許可を受けた都道府県区域外での配置販売を行う場合は、当該都道府県の許可を別途取得する必要があります。
- オ(誤): 配置販売業においても第1類医薬品の販売は薬剤師でなければなりません。登録販売者の配置員が第1類医薬品を自ら販売する権限はありません。
【配置販売業の制度的特殊性と身分証明・区域管理の意義】
配置販売業とは(制度的特殊性):
配置販売業は、日本独自の医薬品販売形態です。「先用後利(せんようこうり)」と呼ばれる仕組みが特徴であり、消費者宅にあらかじめ薬を置いておき、消費者が使用した分だけ後から代金を収受する方式をとります。「置き薬」とも呼ばれ、江戸時代からの歴史を持つ伝統的な販売形態です。
なぜ身分証明書・許可証写しの携帯が義務付けられるか:
配置販売業では、配置員が消費者の自宅・事業所等に訪問して医薬品を取り扱います。店舗販売業と異なり、「固定した場所での対面販売」ではないため、消費者が配置員の正当性を確認する機会が限られています。そのため:
1. 許可証の写しの携帯:業者として適法な許可を受けている業者の従業員であることの証明
2. 身分証明書(顔写真付き)の携帯・提示義務:個人の特定を可能にし、詐欺的な訪問販売との混同を防止
これらの義務は消費者保護と信頼確保の両面で不可欠です。もし消費者が「この配置員は本当に正規の配置販売業者の社員か」と疑念を持った場合、身分証明書の提示を求める権利があり、配置員にはこれに応じる義務があります。
区域制限の意義と都道府県間での配置販売:
配置販売業の許可は都道府県知事が付与します(薬局開設許可・店舗販売業許可と同様の都道府県知事許可)。「許可を受けた都道府県区域内でのみ配置販売が可能」という区域制限は、地方行政の権限範囲と対応しています。
複数の都道府県で配置販売を行う配置販売業者は、各都道府県の許可をそれぞれ取得する必要があります。また、ある都道府県で配置販売に従事する配置員については、その都道府県知事への届出義務があり、行政が管内の配置員情報を把握できる体制が整えられています。
配置販売業における第1類医薬品取扱いの実務:
第1類医薬品の配置販売は、薬剤師でなければ行えません。登録販売者の配置員は第2類・第3類医薬品のみを扱えます。多くの配置販売業者は実務上、第1類医薬品を配置リストに含めない(または薬剤師資格を持つ配置員にのみ担当させる)運用をとっています。
登録販売者が配置販売業で働く場合の権限範囲:
- 第2類医薬品(指定第2類含む)・第3類医薬品の配置・収受:可能
- 第1類医薬品の配置・収受:不可(薬剤師のみ)
- 要指導医薬品の配置販売:不可(配置販売業では要指導医薬品を取り扱えない)<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 配置販売業では要指導医薬品を取り扱えない。配置販売できるのは「配置販売品目基準」(経年変化が起こりにくい・使用方法が簡易・容器被包が壊れにくい)に適合する一般用医薬品に限られ、要指導医薬品は対象外。根拠: 薬機法第31条系・配置販売品目基準(厚労大臣指定) -->
先用後利と代金収受のルール:
配置販売業で注意すべき重要事項として、消費者宅に置いた医薬品の使用期限管理があります。配置販売業者は定期的に消費者宅を訪問し、使用した医薬品の補充・期限切れ品の交換・代金の収受を行います。期限切れの医薬品を放置することは品質管理上の問題であるため、定期訪問の際の期限確認は義務的な業務です。
【根拠】厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節、薬機法(配置販売業関連規定・配置員の義務)
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節「薬事関係法規・制度」(配置販売業の従業員・区域・義務) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。