登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問59:薬事関係法規・制度(譲受・譲渡記録・取引記録の保存義務)
医薬品の譲受・譲渡の記録に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア薬局・店舗販売業者が医薬品を購入(譲受)する際には、品目ごとの数量や取引先の氏名・名称等を記録し、一定期間保存する義務はなく、帳簿管理は任意である。
- イ医薬品の譲受・譲渡の記録は、取引のたびに紙の書面で行わなければならず、電磁的な記録方法(パソコン・電子帳票等)は認められない。
- ウ薬局・店舗販売業者が医薬品を卸売販売業者から購入する際の記録は、少なくとも2年間保存しなければならない。
- エ薬局・店舗販売業者が、別の薬局・店舗に医薬品を販売(譲渡)する場合にも、取引記録の作成・保存義務がある。正答
- オ毒薬・劇薬を購入する際の譲受書(譲渡記録書)の保存義務は、一般用医薬品と全く同じ要件で管理すれば足りる。
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正答はエ(正しいもの)です。
薬局・店舗が別の薬局や店舗に医薬品を販売する(業者間の譲渡)場合にも、取引の記録を作成し、保存する義務があります。これは一般消費者への販売とは別の規制です。
アは誤り。医薬品の譲受記録の作成・保存は法定義務です。イは誤り。電磁的な記録方法も認められています。ウは誤り。薬局・店舗販売業者が医薬品を購入・譲受した際の記録の保存期間は3年間です(「少なくとも2年」は不正確)。オは誤り。毒薬・劇薬は一般用医薬品より厳格な記録管理が求められ、譲渡時の書面(譲渡書)は2年間の保存義務があります。
医薬品の取引記録(譲受・譲渡記録)の主な要件:
| 事項 | 内容 |
|---|---|
| 記録義務の根拠 | 薬機法・薬機法施行規則 |
| 記録の対象 | 薬局・店舗が卸等から購入する場合、店舗間で譲渡する場合等 |
| 記録すべき事項 | 品名・数量・取引年月日・取引先の氏名・名称・住所等 |
| 保存の方法 | 書面・電磁的記録のいずれも可 |
| 購入・譲受・譲渡記録の保存期間 | 3年間(医薬品の偽造品流通防止のための記録義務) |
| 販売・授与記録(要指導・第1類等)の保存期間 | 2年間 |
| 毒薬・劇薬の譲渡書 | 一般の医薬品より厳格。譲渡時の書面(譲渡書)は2年間保存 |
<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 購入・譲受・譲渡記録=3年間(偽造医薬品流通防止の記録義務)/要指導・第1類等の販売記録=2年間/毒薬・劇薬の譲渡書=2年間。手引き第4章・薬機法施行規則で確定。根拠: 薬機法施行規則・厚労省「医薬品の販売制度」 -->
各選択肢の解説:
- ア(誤): 薬局・店舗販売業者が医薬品を仕入れる際(卸から購入する際)は、取引の記録(品目・数量・取引先・取引年月日等)を作成し一定期間保存する義務があります。任意ではなく法定義務です。
- イ(誤): 取引記録は書面による方法だけでなく、電磁的な記録方法(電子帳票・データベース等)も認められています。現代の業務実態に即した規制となっています。
- ウ(誤): 薬局・店舗販売業者が医薬品を購入・譲受した際の記録(品名・数量・取引年月日・取引先等)の保存期間は3年間です(医薬品の偽造品流通防止のための記録義務)。「少なくとも2年」とする本記述は保存期間を誤っています。なお、要指導医薬品・第1類医薬品を販売・授与した際の販売記録の保存期間は2年間であり、記録の種類によって期間が異なる点に注意が必要です。
- エ(正): 薬局・店舗販売業者が他の薬局・店舗に医薬品を販売(業者間譲渡)する場合も、取引記録の作成・保存義務があります。業者間取引においても流通の透明性・追跡可能性を確保するために記録管理が義務付けられています。
- オ(誤): 毒薬・劇薬については、一般の医薬品よりも厳格な記録管理が求められます。譲渡に際しては品名・数量・使用目的・譲渡年月日・譲受人の氏名・住所等を記載した書面(譲渡書)の交付・受領が必要で、当該書面は2年間保存しなければなりません。「一般用医薬品と全く同じ要件で足りる」とする本記述は誤りです。
【医薬品取引記録制度の背景と毒薬・劇薬の特別規制の詳細】
取引記録制度の趣旨:
医薬品の流通に関する記録管理(譲受・譲渡記録)が義務付けられている理由は以下のとおりです:
1. 流通の透明性確保: 医薬品がどこからどこへ流通したかを追跡できる体制を整備し、不正な流通(横流し・転売・偽造品の混入等)を防止する
2. 品質問題発生時の迅速な対応: 品質問題が発覚した際に、対象ロットの医薬品がどの店舗・薬局に流通しているかを特定し、回収を迅速化する
3. 行政監視の実効性確保: 薬事監視員が立入検査を行った際に帳簿を確認し、取引の適正性を検証できる体制を担保する
記録の電磁的方法について:
現代の薬局・店舗では、POS システム・在庫管理ソフトウェア・電子発注システム等を活用した電磁的な記録管理が一般的になっています。薬機法上、取引記録の電磁的記録は認められており、紙による記録に代わる方法として活用できます。ただし、電磁的記録の保存においても、改ざん防止・バックアップ等のデータ管理上の信頼性確保が必要です。
毒薬・劇薬の記録管理の特別規制:
毒薬・劇薬は、一般の医薬品よりも毒性・劇性が強い医薬品として、より厳格な管理が求められます:
1. 譲渡時の文書の義務的受領: 毒薬・劇薬を譲渡(販売・授与)する際は、譲受人から品名・数量・使用目的・譲渡年月日・譲受人の氏名・住所・職業を記載し、署名又は記名押印した文書の交付を受けなければなりません
2. 施錠管理: 毒薬は他の医薬品と区別し、施錠した設備に保管する義務があります(劇薬は他の医薬品と区別して保管。施錠は不要)
3. 交付の制限: 14歳未満の者その他安全な取扱いに不安のある者には交付してはなりません
4. 保存期間: 毒薬・劇薬の譲渡に係る文書(譲渡書)は2年間保存しなければなりません(一般用医薬品の販売記録2年・購入譲受記録3年とは別建ての要件)<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 毒薬・劇薬の譲渡時文書(譲受人からの書面)=2年間保存(薬機法第46条系)。交付制限は14歳未満等。毒薬は施錠保管・劇薬は区別保管(施錠不要)。根拠: 薬機法・施行規則 -->
業者間取引記録(店舗間譲渡)の重要性:
選択肢エで問われた「業者間の医薬品譲渡(店舗→店舗)」の記録義務は、実務上しばしば見落とされやすいポイントです。一般消費者への販売記録は意識されますが、店舗間で融通し合う形での医薬品の受け渡しにも記録義務があります。
理由:
- 業者間の医薬品の動きも流通追跡の対象であること
- 不適切な業者間取引(許可外の業者への販売等)の防止
- 在庫管理・品質管理の観点からも記録が必要
登録販売者として取引記録管理を実践する際の留意点:
1. 仕入れのたびに記録(発注書・納品書・受領書等)を保存する習慣
2. 電磁的記録の場合、システムバックアップと記録の改ざん防止
3. 法定保存期間を把握し、期限前の廃棄をしない
4. 薬事監視員による立入検査では帳簿の確認が行われるため、整然とした記録管理が法令遵守の証拠となる
【根拠】厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節、薬機法・薬機法施行規則(医薬品の取引記録・毒薬劇薬の譲受書譲渡書に関する規定)
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節「薬事関係法規・制度」(医薬品の取引記録・保存義務) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。