登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問60:薬事関係法規・制度(化粧品の効能効果56項目・医薬部外品との区別)
化粧品の効能効果の範囲に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア化粧品は医薬品と異なり、承認審査を受けることなく自由にどのような効能効果でも標榜することができる。
- イ「皮膚の荒れを防ぐ」「毛髪をなめらかにする」「清潔にする」等の効能効果は化粧品として認められる56項目の例として挙げられており、これらは化粧品として標榜できる。正答
- ウ化粧品に「アトピー性皮膚炎の症状を緩和する」と標榜する場合は、医薬部外品としての承認が必要であるが、「乾燥を防ぐ」は化粧品として認められる効能である。
- エ化粧品の効能効果56項目に含まれない効能を謳う化粧品は、直ちに医薬品として扱われ、医薬品としての承認がなければ販売できない。
- オ化粧品の56効能項目は厚生労働大臣が別途定めており、令和8年4月版手引き時点では45項目に制限されている。
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正答はイ(正しいもの)です。
化粧品が標榜できる効能効果は、厚生労働省が定める56項目の範囲内に限られます。「皮膚の荒れを防ぐ」「毛髪をなめらかにする」「清潔にする」等はこの56項目に含まれる表現であり、化粧品として標榜することができます。
アは誤り。化粧品も効能効果の標榜範囲は56項目に限定されており、自由に何でも標榜できるわけではありません。ウは一部正しいですが、「アトピー性皮膚炎の症状緩和」は化粧品でも医薬部外品でも通常は標榜できず医薬品的な標榜です。エは一部誤り。56項目を超えると医薬部外品か医薬品の領域になる場合があります。オは誤り。56項目という数字が正確です(45項目ではない)。
化粧品・医薬部外品・医薬品の効能効果の比較:
| 区分 | 効能効果の範囲 | 規制 |
|---|---|---|
| 化粧品 | 厚生労働大臣が定める56効能効果の範囲内のみ | 品目ごとの承認不要(製造販売業の許可は必要) |
| 医薬部外品 | 個別成分・用途で認められた範囲(薬用化粧品等) | 品目ごとの承認または届出が必要 |
| 医薬品 | 承認された効能効果のみ | 品目ごとの製造販売承認が必要 |
化粧品56効能効果の主な例(代表的なもの):
- 皮膚の清潔を保つ、皮膚を清浄にする
- 皮膚の荒れを防ぐ、肌を整える
- 毛髪をなめらかにする、毛髪につやを与える
- 皮膚にうるおいを与える、乾燥を防ぐ
- においを防ぐ(防臭)
- 日やけを防ぐ(紫外線防止)
- 汗を抑える(制汗)
<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 化粧品の効能効果の範囲=56項目で確定(厚労省医薬食品局長通知 平成23年7月21日 薬食発0721第1号「化粧品の効能の範囲の改正について」1〜56。「乾燥による小じわを目立たなくする」追加で56項目)。掲出の各例(清潔を保つ・荒れを防ぐ・なめらかにする・うるおいを与える・乾燥を防ぐ・においを防ぐ・日やけを防ぐ・汗を抑える)はいずれも範囲内。根拠: 厚労省通知 薬食発0721第1号 -->
各選択肢の解説:
- ア(誤): 化粧品は製造販売業の許可を受け、かつ効能効果の標榜は56項目の範囲内に限定されます。自由に何でも標榜できるわけではありません。
- イ(正): 「皮膚の荒れを防ぐ」「毛髪をなめらかにする」「清潔にする」等は化粧品の56効能効果に含まれる表現であり、化粧品として標榜することができます。
- ウ(誤り部分あり): 「アトピー性皮膚炎の症状を緩和する」は化粧品の56項目を超えた医薬品的な効能効果の標榜であり、医薬部外品の承認でも通常は対応できません(医薬品としての承認領域)。一方「乾燥を防ぐ」は化粧品として認められる効能です。この選択肢は「医薬部外品の承認が必要」という部分が誤りです。
- エ(誤り部分あり): 56項目を超えた効能を謳う場合、医薬品としての承認が必要になる可能性がありますが、「直ちに医薬品として扱われる」というのは単純化しすぎです。医薬部外品に相当する効能もあります。
- オ(誤): 化粧品の効能効果は「56項目」であり、「45項目」ではありません。数字を正確に記憶することが求められます。
【化粧品の56効能効果の制度的背景と医薬部外品・医薬品との境界の詳細】
化粧品の効能効果が56項目に限定される制度趣旨:
化粧品は「人体への影響が緩やか(軽微)である」ことが定義の一要素です。薬機法上、化粧品は「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされているものであつて、人体に対する作用が緩和なもの」と定義されています。
この「作用が緩和なもの」という要件を担保するために、表示できる効能効果の範囲を56項目に限定しています。56項目を超える(疾患の治療・重篤な症状への影響を謳う)効能を標榜する製品は、作用が緩和でない可能性があるとして医薬品・医薬部外品の領域に入ります。
56効能効果の具体的なカテゴリ構造(手引きに基づく理解):
化粧品の56効能効果は大まかに以下のカテゴリに分類されます:
1. 皮膚の清潔・保護: 清潔を保つ、荒れを防ぐ、肌を整える、乾燥を防ぐ等
2. 皮膚の外観の改善: うるおいを与える、なめらかにする、柔軟にする等
3. 毛髪・頭皮の保護: 毛髪をなめらかにする、つやを与える、ふけを防ぐ等
4. 日焼け・紫外線対策: 日やけを防ぐ(SPF表示との連動)
5. 制汗・防臭: 汗を抑える、においを防ぐ等
6. 口腔・歯の清潔: 口臭を防ぐ、歯を白くする等の一部
56項目以外の効能(医薬品・医薬部外品の領域):
- 「アトピー性皮膚炎を治す」→ 医薬品の領域
- 「ニキビを治す」→ 医薬部外品(薬用化粧品)の領域
- 「育毛効果がある」→ 医薬部外品(薬用育毛剤)の領域
- 「殺菌・抗菌効果がある」→ 医薬部外品または医薬品の領域
化粧品から医薬部外品・医薬品への「グラデーション」:
実際には化粧品・医薬部外品・医薬品の境界はグラデーション的であり、判断に迷うケースも少なくありません:
- 「ニキビを防ぐ」(56効能内)→ 化粧品OK
- 「ニキビに効く」「ニキビを治す」→ 医薬部外品または医薬品
- 「肌を整える」→ 化粧品OK
- 「アレルギー性皮膚炎を予防する」→ 医薬品的標榜・不可
この境界の判断には薬機法の解釈・厚生労働省の通知・判例等が参照されますが、登録販売者試験では「56効能の範囲内か否か」という基本的な判断力が問われます。
医薬部外品(薬用化粧品)との関係:
医薬部外品には「化粧品に医薬品的な成分・効能を付与した」という性格を持つ「薬用化粧品」があります(「医薬部外品」の表示が外箱に付く):
- 薬用スキンケア(医薬部外品表示):「ニキビを防ぐ」等の効能
- 薬用育毛剤(医薬部外品表示):「脱毛を防ぐ」等の効能
- 薬用歯磨き粉(医薬部外品表示):「むし歯を防ぐ」等の効能
これらは化粧品の56効能を超えた効能を謳うために医薬部外品として承認・届出を経ており、化粧品よりも厳格な規制が適用されます。
登録販売者は、化粧品・医薬部外品・一般用医薬品が同一店舗に並ぶ実務の現場において、それぞれの区分・効能効果の範囲・規制の違いを説明できることが求められます。
【根拠】厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節、薬機法(化粧品の定義・効能効果の範囲・医薬部外品との区別)
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節「薬事関係法規・制度」(化粧品の効能効果の範囲・56項目) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。