登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問52:薬事関係法規・制度(指定濫用防止医薬品・確認義務の運用)
指定濫用防止医薬品の販売時における購入者への確認義務に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア指定濫用防止医薬品を購入しようとする者に対し、薬剤師または登録販売者は、購入者の年齢を確認しなければならず、18歳未満の者であるとき(又はその疑いがあるとき)は、本人確認書類により氏名・年齢を確認しなければならない。
- イ指定濫用防止医薬品を購入しようとする者が、他の薬局・店舗等からの当該医薬品の購入・譲受けの状況を確認することは、法令上の義務である。
- ウ18歳未満の者に対する大容量製品・複数個の販売は原則として禁止されており、薬剤師・登録販売者は購入しようとする数量・包装を確認する必要がある。
- エ濫用防止の確認において、購入者が依存性を疑わせる言動を示した場合は、販売を差し控えることが求められ、必要に応じて受診勧奨を行うことが適切である。
- オ指定濫用防止医薬品の販売時の確認義務は薬剤師にのみ課されており、登録販売者は当該確認を行う法的義務を負わない。正答
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正答はオ(誤っているもの)です。
指定濫用防止医薬品の販売時の確認義務は薬剤師だけではなく、登録販売者も対象です。指定濫用防止医薬品を販売する際は、薬剤師・登録販売者のいずれも、購入者への確認義務を負います。
アは正しく、購入者の年齢を確認し、18歳未満(又はその疑い)のときは本人確認書類で氏名・年齢を確認しなければなりません。イも正しく、他の薬局・店舗等からの購入・譲受け状況の確認は法令上の義務です。ウは正しく、18歳未満への大容量・複数個の販売は原則禁止で、数量・包装の確認が必要です。エは正しく、依存性が疑われる場合は販売差し控えと受診勧奨が求められます。
指定濫用防止医薬品の販売時確認事項(令和8年4月版手引き/令和8年5月1日施行改正に基づく主な内容):
| 確認事項 | 主な内容 |
|---|---|
| 年齢の確認 | 全購入者に年齢を確認。18歳未満(又はその疑い)→ 本人確認書類で氏名・年齢を確認 |
| 数量・包装の確認 | 18歳未満への大容量製品・複数個の販売は原則禁止 |
| 購入の目的・症状 | 使用目的・症状の確認(適正使用の判断) |
| 購入・譲受け状況 | 他の薬局・店舗等からの当該医薬品の購入・譲受け状況の確認(義務) |
| 依存性・乱用疑いへの対応 | 依存性を疑わせる言動がある場合は販売差し控え・受診勧奨 |
| 確認義務の主体 | 薬剤師または登録販売者(どちらも義務あり) |
各選択肢の解説:
- ア(正): 令和8年5月1日施行の改正により、年齢確認は全購入者に課され、18歳未満(又はその疑い)のときは本人確認書類で氏名・年齢を確認しなければなりません。年齢基準は従来の「おおむね20歳未満」から、民法上の成年年齢に合わせた「18歳未満」に変更されています。
- イ(正): 他の薬局・店舗等からの当該医薬品の購入・譲受けの状況の確認は、改正により法令上の義務として明文化されました。
- ウ(正): 18歳未満の者への大容量製品・複数個の販売は原則として禁止され、薬剤師・登録販売者は購入しようとする数量・包装を確認する必要があります。
- エ(正): 購入者の言動から依存性・乱用が疑われる場合は、販売を差し控えることが求められます。医薬品の適正使用の観点から、必要に応じて医療機関への受診を勧める対応が適切です。
- オ(誤): 確認義務は薬剤師のみならず、登録販売者にも課されています。登録販売者が指定濫用防止医薬品を販売する際は、同様の確認義務を負います。
【指定濫用防止医薬品制度の創設(令和8年5月1日施行)と実務上の対応詳細】
「指定濫用防止医薬品」とは(令和7年改正による制度創設):
従来「濫用等のおそれのある医薬品」と呼ばれ告示で指定されていた品目は、令和7年改正(令和8年5月1日施行)により、法律上の区分「指定濫用防止医薬品」として明確に位置づけられました。指定成分は次の8成分です(令和8年4月版手引き反映):
- エフェドリン(アドレナリン作動成分)
- コデイン・ジヒドロコデイン(鎮咳成分)
- ブロモバレリル尿素(鎮静成分)
- プソイドエフェドリン(充血除去成分)
- メチルエフェドリン(気管支拡張・鎮咳成分)
- ジフェンヒドラミン(抗ヒスタミン成分・改正で追加)
- デキストロメトルファン(鎮咳成分・改正で追加)
これらの成分は、正当な使用目的を超えた多量摂取・反復使用(オーバードーズ=OD)による依存形成・乱用のリスクが認められています。
令和8年4月版での改訂ポイント(濫用防止関連):
令和8年の手引き改訂で最大の変更点は、(1)区分の法定化(「指定濫用防止医薬品」への格上げ)、(2)対象成分の拡大(ジフェンヒドラミン・デキストロメトルファンの追加)、(3)年齢基準を「おおむね20歳未満」から「18歳未満」へ引下げ、(4)確認事項(年齢・購入状況等)のガイドラインから法的義務への格上げ、です。
18歳未満への確認義務・販売制限の意義:
18歳未満の者への確認・販売制限は、以下の根拠に基づきます:
1. 依存形成リスクの高さ: 若年期の脳は成熟途上であり、薬物依存が形成されやすい
2. OD(オーバードーズ)対策: 若年層の市販薬OD問題の深刻化を受けた規制強化
3. 成年年齢との整合: 民法の成年年齢(18歳)に合わせた基準設定
18歳未満(又はその疑い)の購入者には、本人確認書類(学生証・マイナンバーカード等)による氏名・年齢の確認が義務付けられます。確認に応じない場合は販売を差し控える対応が適切です。
大容量・複数個販売の原則禁止の実務上の運用:
18歳未満の者に対する大容量製品・複数個の販売は原則禁止されます。これは「OD・転売・乱用目的での大量購入を防止する」ための規制です。
実務上の注意点:
- 複数個・大容量の購入を希望された場合は、その理由を確認する
- 同一人物が複数回に分けて購入しようとした場合:意図が疑わしい場合は販売を差し控える
依存性・乱用が疑われる購入者への対応フロー:
1. 言動の観察: 過度に興奮している・同種品をすでに複数購入している等の異常行動を確認
2. 質問による確認: 「どのような目的で購入するか」「かかりつけの医師・薬剤師に相談したか」等を聞く
3. 販売の差し控え: 依存性・乱用が疑われる状況では、「お客様の健康のためにお売りできない」と丁重に断る
4. 受診勧奨: 「医療機関で相談することをお勧めします」と専門的な支援につなげる
この対応フローは、登録販売者にとって単なる法令遵守を超えた「医薬品の適正使用を守るゲートキーパー」としての役割遂行です。
<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 令和7年改正(令和8年5月1日施行)で「濫用等のおそれのある医薬品」が法定区分「指定濫用防止医薬品」に格上げ。年齢基準20歳未満→18歳未満、確認事項の法的義務化、対象成分8種(ジフェンヒドラミン・デキストロメトルファン追加)を令和8年4月版手引き・厚労省告示で突合し全面リライト。根拠: 厚労省「指定濫用防止医薬品の指定について」令和8年・薬機法改正 -->
【根拠】厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節、薬機法・薬機法施行規則(指定濫用防止医薬品の販売制限に関する規定/令和8年5月1日施行)
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節「薬事関係法規・制度」(指定濫用防止医薬品の販売制限・確認義務/令和8年5月1日施行の改正反映) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。